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学生視点で、ものづくり企業の課題解決競う 〜モノヅクリンクが阪南大学とコラボイベント〜

各地ものづくり企業群の連携団体である「Monozukulink.net」は2019年6月22日(土)午後、大阪市のあべのハルカスにて、6月例会「『学生ドラフト会議』阪南大学×ほくざん会」を開催しました。関西を中心とする企業グループ「ほくざん会」と阪南大学国際観光学部学生さんたちとのコラボイベントです。

 

2018年12月に関西地方の中小ものづくり企業が、解決してもらいたい経営課題をまずプレゼン。それを受けて、阪南大学国際観光学部の学生さんたちがインターン先を選び、実際に工場を訪れたり、社長、社員さんたちの話を聞いたりしながら、学生さんなりの解決策を提案するという内容です。この日は、学生さんたちによるプレゼン対決、続いて、参加企業の経営者が気に入った学生に「社長面接権」を付与するセレモニーが行われました。

会場となったハルカス23階の「阪南大学あべのハルカスキャンパス」には、岩手県北上市や花巻市から福岡県北九州市に至る全国各地の企業メンバーが集まったほか、学生さんたちも数多く出席し、総勢70名ほどの盛会になりました。

 

まず、6グループによるプレゼン対決。趣向を凝らした学生さんたちの発表に、時折爆笑も広がる中、一同熱心に見入ります。ものづくりBtoB企業だからこそ、HPを工夫する。SNSを活用して自分たちと同じような10代20代にアピールする。さらには、販路を広げたい中国人客向けにミナミで街頭インタビューを遂行した上で、実際にTik Tokで動画を作ってアップしてみる等々…。学生さんだからこそ気づける視点も数多く見られました。

また、最初は、町工場に良い印象を持たず「ものづくりは嫌いだ」とまで思っていた学生さんたちも、実際に工場を訪れ、見事なまでにきれいな職場に感激し、ピカピカのトイレや癒しの休憩室に驚き、そして社員さんたちが生き生きと仕事をする姿に心動かされる…。ものづくり企業の素晴らしさに改めて驚かされたとの声が幾つも飛び出しました。

 

さらに懇親会では、インターンの状況やプレゼン資料作成での苦労話など、学生さんと参加企業との間で歓談の輪があちこちに広がりました。

今回インターンを受け入れた企業側も、通常は技術系の学生など、製造現場や設計などに近い学生を受け入れることが多く、女性が多い国際観光学部の面々に最初は戸惑いもあった様子。そんな中。BtoC商品を手掛ける企業は、そのプロモーション方法や若者向け販路拡大策についてアドバイスを求める動きも。一方で、あえてBtoBものづくり企業の特長を前面に押し出して、女性インターン生に製造現場に入ってもらい、製作工程を体感してもらった企業や3S活動に取り組んでもらった企業もあり、好対照となったようでした。

副題に「あなたの一生を左右する出会い」とある通り、学生さんたちだけでなく、参加した企業側、社会人側も改めて数々の発見がある、そんな素晴らしい機会となりました。

 

日景 聡(ひかげさとし)